<  2001.7.20 >  道なき道を


緑の中をゆっくり流れ落ちる渓

大関 章の OUTDOORS REPORT        
・・・・ 快晴 ・・・・


・・・ 「あー 少々悪くなるけんど なに 
すぐにでられるに 。」

問いかけに答えてくれた 畑に立つ老人のその
一言が 私達を不安の頂点へ導くとは
その時は 思いもし無かった 。・・・

 
10M幅に 奥行き2M 深い所で40CM
ばかりの小さな古い堰堤下の落ち込みで
ゴツ 々 と 鈍い当たりに 腕一杯の合わせを
くれると 逃げ場の無い流れの中を岩魚は
背びれを見せながら横走りする 私の左手で
これまたこんな所でと言うような所で 
竿を出していた相棒の前を

  「 どいて どいて。」

と 横切る。

 「 おい・・・。」

と 相棒の非難に。

なに 聞こえない  聞こえない ・・・。

静かに竿を振る相棒


昔行けなかった この渓の源流へ行って見ようと思いつき 何年か前出来た林道を目指し林道入り口
へと向かいます   私のコース選択間違いにきずくのは そのずっと後の事でした。
緑に埋もれた とても道とは言えないような この地道を もうどれだけ登りつづけているでしょう

「 なに すぐにでられるに・・・・・。」 老人の一言が 耳に残ります。

「 本当かよー・・・・・。」  相棒のボヤキに

「 ま 行かなしょうなかんべ。」

暗い谷間での岩魚
目的の林道には まだまだ出そうに有りません 目の前の地道は ますます悪く細くなり
どんどん 高さを増して行きます 登ってきた牧場が 遥か下方へと見え出し
気まずい空気が漂いだす頃 急に明るく開けた林道へと飛び出し       思わず拍手・・。  
草つきの登ってきた斜面を見下ろしながら     

「さて 釣り  釣り。 」
                                  oozeki